劇場版名探偵コナン 紺青の拳 ネタバレ感想

お前だけは絶対に許さない。絶対にだ。















前作『ゼロの執行人』がやたら腐女子層にウケて
安室さんがめちゃくちゃ持ち上げられていたのがちょっと気持ち悪かったのですが

(よくよく考えたら安室さんは自らの正義の為だけにコナンを利用し蘭姉ちゃんを泣かせるという、視聴者からすると許し難い行為をしています)

今回の映画は前作であかあむ厨を釣った反動で
古参ファンを全力で喜ばせにかかっています。

コナン映画のこういうバランス感覚、好き。




まず、視聴者への犯人に対するヘイトの稼ぎ方がうますぎる。
・京極さんを疑心暗鬼に陥らせ
・そのせいで園子に怪我を追わせ、京極さんと危うく別れそうになり
・キッド様をボロボロに追い詰める

これをやられたら、古参ファンに
「こいつだけは絶対に許さない、絶対にだ」と言わせるには充分すぎる。
少なくとも私は涙目でずっとこの言葉を頭に浮かべてた。



…園子の病室のシーン、あれ完全に『瞳の中の暗殺者』のセルフオマージュでしょう。
あの時は入院してたのは蘭で、今作でいう京極さんの位置でずっと蘭が目を覚ますのを待ってたのが園子だった。
園子のそういうところ…友達の為にあそこまで尽くせるところが
京極さんが園子に惚れた理由な訳ですから。


…あのシーンで↑みたいな思考回路に陥った奴ほど
そのあとの園子の涙で落とされる訳ですが。




園子はなーーーーー、完全にメインヒロインなんですよね。
で、「守られるヒロイン」であることに喜びを感じつつも
ずっと守られ続けてお荷物になるのは嫌だって思ういい子なんですよ。そこまで含めてヒロイン。


そして、洗脳された京極さん。

「なんの為にその拳を振るうのか」って問いに、キッド様が赦しと答えを与えるのがナイスすぎる脚本ですよね。
自分自身と、愛する彼女を守るために戦う。
なんの為だなんて、それ以外に理由が必要ですか?



…最初、あのミサンガ結ばれた段階で
京極さんが自分で銃弾の射程内にミサンガ(だけ)を突っ込んで切るってシーンを想像してたんですが
それよりもはるかに良シーンでした。

ライバルに迷いを断ち切ってもらう。
コナンとキッド様がお互いにそういう関係であるように、
キッド様と京極さんもそういう関係になりうるんですね。





そしてラスト。
まさかの、変装に気づいていた蘭ちゃん。

まあね、さすがにあの強烈な中で結ばれてた幼なじみとあれだけの時間一緒にいて
違和感を与えないのは、たとえキッド様でも不可能ですよね。

例の台詞はシンガポール到着後すぐに言ってたので(わたしも違和感を覚えた。ちなみに本物の新一は小五郎のことを「おじさん」と呼びます)
かなり早い段階で蘭は新一の正体に気づいていたことになります。

…つまり、あの新一とのラブラブっぷりは
キッドを油断させるための演技。
蘭ちゃん、ヤバい。冷静にヤバい。

まあでも新一に鍛え上げられた女ですから
逮捕するために相手の手を握るくらい造作もないでしょう。
(きっと新一も許してくれる…キッドを捕まえるためだもん…!)って罪悪感に苦しむ蘭ちゃんをください。





それからですね、これは声を大にして言いたいのですが


…青山先生は空手を何だと思ってるんですかねえ(笑)